雨樋、ドレンは詰まっていませんか?雨漏りさせないために出来る事(マンション管理者向け)

過ごしやすくなってからと思ったら台風…

思うようにはできない外構のメンテナンス

夏の猛暑が落ち着き、ようやく外回りの点検や修繕を再開しようと思った矢先に、台風や集中豪雨。

「涼しくなってから外構を…」と予定していた管理組合やオーナー様も、天候不順で計画が後ろ倒しになっていないでしょうか。

しかし、外構や排水設備のメンテナンスを後回しにすると、思わぬ雨漏りや設備不具合を引き起こすリスクがあります。

特にマンションでは、共用部分の排水不良が1戸単位の漏水被害につながるケースも少なくありません。

今回は、台風シーズンに改めて見直しておきたい「雨樋」や「ドレン」などの排水経路を中心に、管理者として押さえておくべきポイントを整理します。

外構・排水系メンテナンスが“後手に回る”理由

マンション管理において、屋上や外構の点検は優先度が低くなりがちです。
理由は、目視しにくく、日常生活に直接の影響が出にくいため。

しかし、外構・排水系統のトラブルは「気づいたときには既に内部に影響が出ている」ことが多く、修繕コストが跳ね上がる傾向にあります。

特に、秋の台風やゲリラ豪雨では短時間に大量の雨が流れ込み、排水不良が一気に顕在化します。
「今回はたまたま流れたが、次回は詰まるかもしれない」――この繰り返しが、やがて漏水事故を招きます。

 

雨樋とドレン ― 建物を守る「見えない排水システム」

マンションの雨水排水は、大きく分けて次の2つの系統で構成されています。

  • 雨樋(あまどい)系統
     屋根や庇(ひさし)などに設置され、雨水を集めて地上や排水桝に導く役割。
     特に中高層マンションでは、縦樋が外壁を通っており、内部詰まりに気付きにくいのが特徴です。
  • ドレン(排水口)系統
     屋上・ルーフバルコニー・共用廊下などの平面部に設置される排水装置。
     落ち葉や砂埃、鳥の巣などが詰まりやすく、清掃頻度が不足すると排水能力が著しく低下します。

これらの排水経路が機能不全に陥ると、雨水が行き場を失い、防水層上に滞留します。
防水層はあくまで「一時的な保護膜」であり、常時水に浸される前提では設計されていません。
滞水が長時間続くと、シートやウレタン層の浮き・剥離・ピンホールなどが発生し、雨漏りの入口となります。

台風後に発生する「見えない雨漏り」

台風後の漏水調査でよく見られるのが、次のようなケースです。

  • バルコニー排水口(ドレン)付近に泥・落ち葉が堆積し、排水が遅延
  • 屋上ドレンの目皿(ゴミ受け金物)が外れて異物混入
  • 外壁の竪樋(たてどい)内部に鳥の巣やビニール片が詰まる
  • 屋上防水層とドレン接合部のシーリングが劣化し、逆流

これらは、一見すると「雨樋が少し詰まっているだけ」と思いがちですが、実際には内部で雨水が防水層の下に回り込み、鉄筋コンクリート内部の中性化や鉄筋腐食を進行させます。
その結果、数年後に躯体クラックやタイル浮きが発生することもあります。

 

放置による二次被害 ― 管理組合・オーナーのリスク

共用部の排水不良を放置すると、次のような被害が拡大します。

  • 上階の雨漏りが下階居室へ波及(漏水クレーム、弁済対応)
  • 外壁の汚損・コケ発生(美観低下、塗装寿命の短縮)
  • 基礎部の劣化・ひび割れ(長期修繕計画の前倒し)
  • エレベーターピット・機械室への浸水(電気系統への影響)

これらはすべて「共用部分の管理不全」と判断され、場合によっては管理組合の損害賠償責任を問われることもあります。
台風後に居住者から「天井にシミが」「共用廊下に水たまりが」と報告があった場合は、迅速な一次対応と専門業者による調査が不可欠です。

イラスト 雨漏り

管理組合でできる初期対応・点検ポイント

雨樋やドレンの状態を把握するために、日常巡回や定期点検で次の点を確認しましょう。

  1. 屋上・バルコニーの排水口に堆積物がないか
     定期清掃の際にゴミ受けを外して確認。砂や泥が溜まりやすい箇所は重点的に。
  2. 縦樋・横樋のジョイント部にズレや割れがないか
     経年劣化で樋が外れていると、外壁を伝って雨だれ跡が残ります。
  3. 排水経路周辺の防水層に膨れやひび割れがないか
     軽く踏んで沈む場合は、下地に水が回っている可能性あり。
  4. 台風後に一時的な水たまりが残っていないか
     排水勾配不良やドレン詰まりが疑われます。
  5. 居住者からの「雨音・シミ・臭い」報告の有無
     軽微な症状でも、内部浸水の初期兆候であることが多いです。

ただし、高所や屋上での作業は安全面から専門業者への委託が原則です。
無理な自己点検は転倒・落下などの重大事故につながるおそれがあります。

 

専門業者に依頼すべきメンテナンスと診断内容

管理組合やオーナー様が実施を検討すべき外構・排水関連の専門点検には、以下のようなものがあります。

  • ドレン内部スコープ調査(内視鏡カメラによる閉塞確認)
  • 竪樋洗浄・排水管内高圧洗浄
  • 屋上・バルコニー防水層の浮き・剥離点検
  • 排水金物・目皿の交換、シーリング補修
  • 雨樋支持金物(吊り具)の緩み・腐食点検
  • ドローン撮影による外壁・屋根排水経路の俯瞰確認

こうした点検は、大規模修繕工事の前後で行うと非常に効果的です。
工事後に排水経路の閉塞がないかをチェックすることで、施工不良による漏水を未然に防げます。

 

年間維持管理のスケジュール化が鍵

外構や排水系統のメンテナンスは、突発対応ではなく計画的な定期管理が理想です。
以下のような年間スケジュールを参考に、長期修繕計画へ組み込むことをおすすめします。

時期

点検内容

備考

4〜5

春季清掃・黄砂除去

雨樋・ドレンの初期詰まり対策

9〜10

台風前点検・落ち葉清掃

排水経路の確認、詰まり除去

11〜12

冬季凍結対策

勾配・排水状態確認、防水層補修

通年

雨漏り申告対応・臨時調査

居住者通報時は迅速対応

こうした定期管理を徹底することで、突発的な漏水対応や大規模修繕の前倒しを防ぎ、中長期的な維持コストを抑えることが可能になります。

 

まとめ:排水の「詰まり」は、管理の「抜け漏れ」

台風や長雨の被害は、自然災害であると同時に、日常管理の積み重ねで防げる部分も多く存在します。
雨樋やドレンといった「見えない共用部分」は、マンション全体の安全性を支える重要な設備です。

過ごしやすくなってから――ではなく、「台風の後こそ点検のチャンス」
この時期に排水系統を見直しておくことで、冬季の凍害や春先の漏水を防げます。

建物の資産価値を守るために、今一度、外構・排水メンテナンスの優先順位を見直す時期です。
管理組合・オーナー様におかれましては、専門業者との連携を密にし、計画的な維持管理を実践していきましょう。

導入にあたって、気になるポイントを詳しく解説します!

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