マンションの雨漏り…じつは窓際パッキンから!?|見落とされがちな原因と賃貸オーナーの対応

 

 

マンションの雨漏りと聞くと、屋上や外壁のひび割れ、防水シートの不具合などを思い浮かべる方が多いでしょう。

ところが実際には「窓枠パッキンの劣化」が雨漏りの大きな原因となっているケースも少なくありません。

特に高経年マンションでは、外壁改修や屋上防水工事は計画的に実施していても、窓周りのメンテナンスは後回しにされがちです。

その結果、気づかないうちに雨水が侵入し、室内のクロスや床材、さらには鉄筋コンクリートの内部にまで被害が及ぶことがあります。

本記事では、窓枠パッキンの役割や劣化によるリスク、点検方法、修繕の考え方までを詳しく解説します。

マンションの維持管理を担う管理組合様やオーナー様の方々に役立つ情報としてご活用ください。

 

1. 窓枠パッキンとは?その役割

窓枠パッキンは、サッシとガラスの間、またはサッシと外壁の取り合い部分に設置されているゴムや樹脂製の部材です。

主な役割は次の通りです。

  • 雨水の侵入を防ぐ防水機能
    外壁や窓の隙間から雨が入り込むのを防ぐ。
  • 気密性・断熱性の確保
    外気の侵入を抑え、室内の快適性を守る。
  • 振動吸収や部材保護
    窓ガラスの固定や外壁の動きに対応し、破損を防ぐ。

一見地味な存在ですが、窓枠パッキンは「建物の防水ラインの最前線」にあたる重要な部材なのです。

 

2. パッキン劣化のサイン

窓枠パッキンは紫外線や雨風にさらされるため、経年劣化を避けることはできません。

劣化のサインには次のようなものがあります。

  • 硬化・ひび割れ
    ゴムが固くなり、表面に亀裂が入る。
  • 縮み・痩せ
    パッキンの断面が薄くなり、隙間ができる。
  • 浮き・剥がれ
    施工時の接着力が弱まり、外れかかっている。
  • 変色
    紫外線の影響で白化、または黒ずみ。

これらの症状が出ている場合、防水性は大幅に低下しています。

特に「縮み」によって生じた微細な隙間から雨水が侵入し、室内側にまで被害をもたらすのが典型的なトラブルです。

 

3. パッキン劣化が引き起こす雨漏りの実態

3-1. 侵入経路が複雑

窓枠パッキンから侵入した雨水は、必ずしもすぐに室内へ現れるとは限りません。

壁内部を伝って下階の天井や壁に染み出すこともあり、「原因不明の雨漏り」と誤解されるケースが多くあります。

3-2. 内部腐食のリスク

コンクリート内部に水が回り込むと、鉄筋の錆びや膨張による「爆裂」が発生し、建物の耐久性に影響を与えます。外観上のクロスのシミやカビだけで済まないのが怖い点です。

3-3. 結露との混同

窓際に水滴やシミが見られる場合、雨漏りなのか結露なのか判断が難しいこともあります。調査には専門業者による散水試験や赤外線カメラを用いた診断が必要です。

 

4. 実際の事例(分譲マンション)

ある築30年超の分譲マンションでは、外壁大規模修繕工事を終えた後も、居住者様から「窓際のクロスが濡れる」との申告が相次ぎました。

原因を調査すると、外壁や屋上には問題がなく、窓枠パッキンの経年劣化が判明しました。

当初は居住者様個別の責任範囲と思われましたが、複数住戸で同様の症状が発生していたため、管理組合全体でパッキン交換を実施。

結果として雨漏りが収まり、建物全体の資産価値を守ることにつながりました。

 

5. 点検とメンテナンスのポイント

5-1. 定期点検の重要性

外壁や屋上防水と同様に、窓周りの点検も10年ごとを目安に行うことが推奨されます。

大規模修繕工事の際にまとめて確認するのが効率的です。

5-2. 早期発見のチェック方法

    • 雨天後に窓周りのクロスやサッシ枠に水跡がないか確認。
    • パッキンの目視チェック(硬化・亀裂・縮み)。
    • サッシ枠にカビや黒ずみがないか。

5-3. 修繕の方法

    • 部分補修:コーキングで隙間を埋める。ただし応急処置に過ぎない。
    • パッキン交換:根本的な解決。窓1本単位で交換可能。
    • サッシ交換:築年数が経過し、窓性能が低い場合には全体交換を検討。

 

 

 

6. 費用感と工事の注意点

費用感

  • パッキン交換:1か所数千円〜
  • サッシ交換:1窓あたり数万円〜十数万円
  • 大規模修繕と同時に実施することで足場費を節約できる。

工事の注意点

  • マンションでは専有部分と共用部分の境界が問題となる。
  • サッシ枠が共用部分、ガラスや内部の窓枠は専有部分とされることが多い。
  • 雨漏りが共用部分に起因する場合は、管理組合様の責任で対応するのが一般的。

 

7. 管理組合様の対応フロー

  1. 雨漏り申告を軽視しない
    「一時的な現象だろう」と放置せず、すぐに調査を手配する。
  2. 専門業者による診断
    散水試験や赤外線サーモグラフィー調査を活用し、原因を特定。
  3. 修繕積立金の活用計画
    窓周りの修繕も長期修繕計画に盛り込んでおく
  4. 居住者様への情報共有
    「パッキンの劣化が原因になることもある」と周知することで、早期申告につながる。

 

8. 賃貸マンションでの事例と入居者様の不安

25年の鉄筋コンクリート造の賃貸マンションで、入居者様から「大雨の翌日に窓際の壁紙が濡れている」と申告がありました。
調査の結果、外壁や屋上には問題がなく、窓枠パッキンの劣化による雨漏りと判明しました。

入居者様の反応:

  • 「カビが発生しそうで健康面が心配」
  • 「家具や家電に被害が出たらどうしてくれるのか」
  • 「対応が遅いなら退去したい」

分譲と異なり、賃貸では入居者様の満足度が経営に直結するため、迅速で誠意ある対応が欠かせません。

 

9. 居住者様への弁済・保証

雨漏りによる被害が入居者様の専有部分や財産に及んだ場合、オーナーとして次のような対応が求められます。

  • 原状回復(修繕)

     壁紙・床材の貼り替え、カビ除去などを早急に実施。
  • 家財への損害補償

     家電や家具が濡れて使用不能になった場合、オーナー様負担で弁済するケースがある。

     (火災保険に「借家人賠償責任」や「施設賠償責任特約」を付帯していれば対応可能)
  • 家賃減額・返金

     雨漏りで部屋の使用に支障がある場合、民法上「賃料減額請求権」が認められることがあります。

     オーナー様側が誠意をもって減額・返金に応じる方がトラブル回避につながります。

 

10. 雨漏り申告があった際のオーナー様が取るべき対応

  • 迅速に現場確認
     申告があればすぐに管理会社や修繕業者を手配。時間を空けると被害が拡大し、入居者様の不満も増大します。
  • 応急処置を優先
     完全修繕に時間がかかる場合でも、ブルーシート養生や防水テープ補修などの応急対応を行うことで「見てくれている」という安心感を与えられます。
  • 入居者様への説明責任
     原因調査の状況
     修繕完了までの見込み
     被害補償の対応方針
     を明確に伝えることで、不安や不信感を抑えられます。
  • 保険の活用
     火災保険・施設賠償責任保険を確認し、補償の対象となる場合は速やかに申請。オーナー様の自己負担を減らすと同時に、入居者様への補償もスムーズに進められます。
  • 再発防止策の実施
     パッキン交換やサッシの更新を根本的に行い、同じ入居者様・別住戸からの再度の申告を防ぐ。

 

この流れを踏むことで、入居者様の不安や不信感を軽減し、退去やトラブルを防げます。

 

11. まとめ

窓枠パッキンの劣化は、見た目には小さなトラブルに見えても、雨漏りを引き起こし建物全体の資産価値に影響します。

 

  • パッキン劣化は築1520年で顕在化しやすい。
  •  早期に発見すれば小規模補修で済むが、放置すると内部腐食やサッシ交換が必要になる。
  • 分譲マンションでは管理組合の計画的修繕が不可欠
  • 賃貸マンションでは入居者対応や補償、保険活用が経営上のリスク管理につながる

「屋上や外壁に問題がないのに雨漏りがする」場合、窓枠パッキンを疑うことが解決の第一歩です。

👉 オーナー様や管理組合様は、ぜひ次回の点検・修繕計画に「窓枠パッキンのチェック」を加えてみてください。

 

導入にあたって、気になるポイントを詳しく解説します!

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