工場・倉庫の台風対策は万全ですか? 屋根の経年劣化と再塗装・棟板金のチェックポイント
日本では毎年のように台風による被害が報告されており、特に工場や倉庫などの大規模な建物では、一度の被害が大きな損失につながることもあります。
その中でも「屋根の劣化」や「棟板金の浮き・外れ」は、被害の初期原因になりやすいため、早期の点検と対策が欠かせません。
なぜ屋根が台風被害を受けやすいのか?
工場や倉庫の屋根は広い面積を持ち、風の影響を受けやすい構造です。
特に次のような状態では、台風の強風で重大な被害が出るリスクが高まります。
- 棟板金(屋根のてっぺんの金属部)が浮いている
- 屋根材を留めるビスが錆びて抜けかけている
- 塗膜が劣化して防水性が失われている
- シーリングが切れて雨水が侵入する状態になっている
こうした経年劣化は、放置すればするほど台風時に屋根材の飛散、漏水、設備損傷といった深刻な被害を招きます。
台風被害を防ぐための要チェックポイント
点検ポイント①:棟板金の固定状態等を確認
工場や倉庫の屋根のてっぺん部分に取り付けられている棟板金(むねばんきん)。
見落とされがちですが、この部分が劣化・破損すると、台風などの強風時に屋根の一部が飛ばされる危険性があります。
◇棟板金とは?役割と構造
棟板金は、屋根材と屋根材の接合部を覆うための金属カバーで、多くはガルバリウム鋼板やカラー鉄板などの耐候性の高い素材が使われています。
雨水の侵入を防ぎ、屋根の防水性と耐風性を高める重要な部材です。
特に折板屋根や瓦棒屋根のような工場屋根においては、屋根の最も高い位置(棟)に取り付けられ、長年風雨や直射日光にさらされています。
◇棟板金が劣化するとどうなる?|よくあるトラブル
- 釘やビスの浮き・抜け
固定が緩むと、風によって板金がバタつき始め、やがて飛散します。
- 板金の変形・浮き
熱による膨張・収縮や、台風の風圧で徐々に湾曲・浮きが発生。
- シーリングの劣化
継ぎ目のコーキングが切れると、雨水が侵入し、屋根下地を腐食させる原因に。
- サビ・腐食
特に古いトタン系素材では、塗膜の劣化によりサビが広がり、穴が空くことも。
◇メンテナンスポイントと対策
項目 |
点検内容 |
推奨対策 |
固定状態 |
釘・ビスの浮き、サビ |
ステンレスビスへの交換、増し締め |
板金本体 |
浮き・変形 |
交換・増し張り補修 |
シーリング |
ひび割れ、剥離 |
再シール処理 |
塗膜状態 |
退色・剥がれ |
再塗装(耐候性の高い塗料推奨) |
棟板金は屋根の「仕上げ」のようなパーツですが、実は最も風の影響を受けやすい部分です。
特に固定している「釘」が緩んでいたり、錆びていたりすると、強風で板金がめくれ、飛散してしまうことも。
ビスへの交換や、シーリング処理の追加補強も有効な対策です。
点検ポイント②:屋根の塗膜と防水性
◇経年劣化が引き起こすトラブルと再塗装の最適なタイミング
屋根の役割は「雨を防ぐ」だけではありません。
塗膜には防水・防錆・遮熱といった複数の機能があり、それらが正常に機能していることで、建物全体が守られています。
しかし、塗膜は紫外線・雨・風・温度差などの影響を受けて、年々劣化していきます。
塗膜が劣化すると、屋根材そのものが雨水や紫外線の影響を直接受けるようになり、腐食・変形・割れなどが発生します。
遮熱や防錆の機能も失われ、建物全体の耐久性が下がる原因にも。
◇なぜ屋根の塗膜が重要なのか?
◎ 金属屋根の「サビ」を防ぐ
折板屋根や瓦棒屋根などの鋼板系屋根は、塗膜が剥がれると金属がむき出しになり、すぐにサビが進行します。
◎ 防水性の維持
塗膜がひび割れたり剥離したりすると、そこから雨水が侵入し、屋根下地や躯体の腐食が始まります。
◎ 屋内環境の保護
遮熱機能付きの塗料を使えば、夏の室内温度上昇を抑え、省エネにも貢献。
塗膜が劣化すればこの効果も失われます。
◇劣化症状のサインとは?
以下のような症状が見られる場合、早めのメンテナンスが必要です。
劣化症状 |
放置した場合のリスク |
チョーキング(粉吹き) |
防水・遮熱効果の低下 |
色あせ・退色 |
紫外線劣化による保護力低下 |
塗膜のひび割れ |
雨水の侵入・下地腐食 |
サビの発生 |
屋根材の穴あき・雨漏り |
塗膜の剥がれ |
風による飛散・再塗装費増加 |
塗装メンテナンスのタイミング
- 塗膜の耐用年数:8〜15年程度(塗料の種類による)
- チェック時期:築10年を過ぎたら毎年点検
- 再塗装の目安:劣化症状が見られた段階で早めに対応
▼ よく使われる屋根塗料と耐用年数の例
塗料の種類 |
特徴 |
耐用年数(目安) |
ウレタン塗料 |
安価だが耐久性は中程度 |
約8〜10年 |
シリコン塗料 |
コスト・耐久バランス良好 |
約10〜13年 |
フッ素塗料 |
高耐候・高価格 |
約15年〜 |
遮熱塗料 |
夏の温度上昇を抑制 |
約10〜15年 |
屋根の塗膜は、建物を守る第一のバリアです。
定期点検と適切な再塗装を行うことで、雨漏り・サビ・高温・経年劣化といった多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
再塗装のタイミングは10〜15年が目安とされますが、沿岸部や工業地域などではもっと短いスパンでの点検・塗替えが必要です。
点検ポイント③:屋根材の浮きやビスの抜け
◇ビスの緩み・サビに注意!屋根材の固定メンテナンスで守る建物の安全性
強風や豪雨のたびに、気になる屋根の状態。
「屋根材がバタバタしている音がした」「雨漏りが始まった」「台風後にビスが抜けていた」――
実はこれらの多くは、屋根材の浮きやビスの劣化が原因です。
特に工場や倉庫のように**金属屋根(折板屋根・瓦棒屋根)**を採用している建物では、屋根材をビスで固定しているケースが多いですが、風や温度変化の繰り返しで徐々にビスが緩み、屋根材が浮いてくることがあります。
この状態では、風の力が部分的に集中し、屋根が一気にめくれ上がるリスクも。
◇放置するとどうなる?
屋根材の浮きやビスの劣化を放置すると、以下のリスクがあります。
リスク | 詳細内容 |
---|---|
屋根材の飛散 | 強風で屋根材がめくれ、周囲に落下する危険も |
雨漏りの発生 | 隙間から水が侵入し、下地が腐食 |
機械や製品の被害 | 屋内設備への水滴落下で品質低下・故障 |
補修費用の増加 | 部分修理で済むはずが、大規模改修に発展 |
◇メンテナンスポイント
◆ ビスのチェック
- 浮き、抜け、サビの有無を確認
- ステンレス製やシーリング付きのビスに交換すると長持ち
◆ 浮いた屋根材の補修
- 浮きの程度に応じて再固定または部分張替え
- 緩んだ屋根材には専用プレートや追加固定で補強
◆ サビ対策
- ビス頭や周辺の軽度のサビ:ケレン(サビ落とし)+防錆塗装
重度の腐食:ビス交換+周囲の補修
点検・補修のタイミング
点検対象 |
推奨時期 |
ビスの緩み |
年1回(台風前) |
屋根材の浮き |
年1回または異音・雨漏りがある時 |
サビの進行 |
5年以内ごとに点検・再塗装 |
定期的な点検で「浮き」や「ビスの緩み」「錆」を確認し、必要に応じて補修・交換することが重要です。
専門業者による点検・診断のすすめ
屋根材の浮きやビスの緩み等は、最初は小さな不具合でも、気づかぬうちに被害を大きくします
目視だけでは分かりにくい部分も多いため、台風シーズン前には専門業者による点検を依頼するのが安心です。
ドローンや赤外線調査を用いた診断では、屋根全体の状態や塗膜の劣化度合いも可視化できます。
まとめ:風災リスクは“事前の備え”で減らせる
台風による被害は、自然災害の中でも比較的「対策可能」なものです。
屋根や棟板金の状態を把握し、必要に応じて補修・再塗装を行うことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
「最近屋根を見ていない」「建ててから10年以上経つ」という方は、ぜひこの機会に点検を検討してみてください。
当社【株式会社 植田】では、京都を中心に長年にわたって、
屋根塗装・外壁塗装・改修工事・タイル工事を数多く手がけてまいりました。
調査からお見積り、ご提案、施工、アフターフォローに至るまで、一貫して誠実で丁寧な対応を心がけております。
現地調査・診断・お見積りはすべて無料で承っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました
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