工場の塗床工事とは?用途・工程・メリットまで徹底解説!
工場の環境づくりにおいて、床の状態は非常に重要な要素です。
滑りやすい床、粉塵が舞いやすい床、割れやすい床など、
床のトラブルは作業者の安全性や製品の品質管理にも影響します。
そのため、近年では「塗床(ぬりゆか)工事」が多くの工場で導入され、
衛生的かつ安全な作業環境の整備が進められています。
今回は、
- 塗床工事とは何か?
- どんな種類があるのか?
- 施工の流れや注意点
- 導入のメリット
までを詳しく解説します。
特にこれから塗床工事を検討している工場担当者様や、設備管理を行っている方にとって、
実用的で分かりやすい内容になっています。最後までよろしくお願いします!
塗床工事とは?
塗床工事とは、床面に特殊な樹脂などの塗料を塗布することです。
効果としては
強化(耐久性・耐薬品性・防塵性などを高める)
美装(美観向上)
保護(劣化を防ぎ、寿命を延ばす)
などです。
工場・倉庫・厨房・病院など、過酷な環境や高い衛生基準を求められる場所で多く採用されています。
通常のコンクリート床では、時間が経つとひび割れや粉塵が発生し、
作業者の安全や製品の衛生面に悪影響を及ぼす恐れがあります。
そこで塗床を施すことで、これらのリスクを低減することが可能になります。
塗床工事が必要な理由
以下のような悩みがある工場では、塗床工事が有効です。
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床が滑りやすく、転倒事故が起こる
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化学薬品で床が劣化してしまう
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油や水による汚れが落ちにくい
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コンクリートの粉塵が舞って製品に付着する
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清掃しても汚れが残ってしまう
これらの問題は、適切な塗床材を選定し、しっかりと施工を行うことで大きく改善されます。
塗床材の種類と特徴
塗床に使われる材料にはいくつかの種類があり、それぞれに特性があります。
詳しく見ていきましょう。
エポキシ樹脂塗床
特徴:硬度が高く、耐薬品性に優れる。光沢があり、見た目も美しい。
用途例:食品工場、電子部品工場、医薬品工場など
メリット:清掃しやすく衛生的。臭いも少ない。
注意点:高温や紫外線に弱い傾向がある。
ウレタン樹脂塗床
特徴:柔軟性があり、衝撃や熱に強い。耐水性にも優れている。
用途例:厨房、冷蔵倉庫、自動車整備工場など
メリット:温度変化に強く、剥がれにくい。
注意点:施工時に臭いが出やすい場合がある。
アクリル樹脂系
特徴:超速乾型。短時間での施工が可能。透明性、耐候性が高い。
用途例:工期を短くしたい現場、改修工事など
メリット:1日で使用可能なこともあり、操業を止めずに施工できる。
注意点:施工中に強い臭気があるため換気対策が必須。
セメント系塗床(無機系)
特徴:耐熱性、耐薬品性に優れる。塗膜ではなくモルタルのような仕上がり。
用途例:重工業、製鉄所、化学工場など
メリット:厚塗りができ、物理的にも非常に頑丈。
注意点:費用がやや高くなる傾向がある。
塗床工事の一般的な工程
塗床工事は大まかに以下の流れで行われます。
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現地調査とヒアリング
床の劣化状況、使用条件、求める性能などを確認。
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下地処理
旧塗膜の除去、ひび割れ補修、表面の研磨など。
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プライマー塗布
接着性を高める下地材を塗布。
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主材の塗布(1〜数層)
エポキシやウレタンなどの主材を数回に分けて塗布。
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仕上げ材の塗布(トップコート)
耐久性・光沢・滑り止めなどを強化。
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養生・乾燥
塗布後は完全硬化まで乾燥時間が必要。
※施工期間は現場の広さや仕様によって異なりますが、数日〜1週間程度が一般的です。
防水工事との違い
「塗床(ぬりゆか)工事」と「防水工事」は、混同されやすい工事です。
この2つの工事の違いを分かりやすく解説していきます。
◆ 塗床工事とは?
塗床工事とは、コンクリートなどの床の表面に専用の樹脂などを塗って、
床を丈夫にしたり、清潔に保ちやすくしたりする工事のことです。
◆ 防水工事とは?
防水工事は、雨水などが建物の中に入り込まないようにする工事です。
屋上やベランダなどに行うことが多く、水の侵入を防ぐための“防水層”を作ります。
◆ 塗床工事と防水工事の違いを一言でいうと?
比較項目 | 塗床工事 | 防水工事 |
---|---|---|
目的 | 床の保護・美観・衛生・強化 | 水の侵入を防ぐ |
主な対象 | 室内の床(工場・厨房など) | 屋外・水回り(屋上・ベランダなど) |
材料 | エポキシ、ウレタンなどの樹脂 | ウレタン、シート、FRPなど |
特徴 | 耐久性・耐薬品性・滑り止め | 防水性・耐候性・耐久性 |
つまり・・・
建物の床を丈夫にしたい、衛生的に保ちたいというときは「塗床工事」。
雨漏りや水の侵入を防ぎたいというときは「防水工事」。
ということです。
塗床工事で気をつけたいポイント
工場の稼働に影響を与えないためにも、以下の点に注意して計画を立てることが大切です。
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工事中の工程停止のタイミングを検討
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臭気や粉塵対策(作業中の換気や養生)
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施工環境の温度・湿度管理
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適切な材料選定(使用環境に合った塗床材)
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信頼できる業者の選定
塗床工事のメリット
塗床を行うことで得られるメリットは多数あります。
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衛生環境の向上
清掃がしやすく、細菌の繁殖も抑えやすい。
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安全性の向上
滑り止め加工による転倒事故防止。
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耐久性・耐薬品性の向上
床の寿命が延び、ランニングコストが下がる。
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美観の維持
明るく清潔な印象を与える。
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従業員のモチベーション向上
作業環境が良くなることで、業務効率も上がる。
※イメージ
食品加工工場(冷凍室)
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課題:水濡れで床が滑りやすく、作業者が転倒しそうになる。
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対応:耐水性・滑り止め性能の高いウレタン塗床を施工。
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結果:事故がなくなり、清掃も簡単に。
金属加工工場
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課題:重機が頻繁に通り、コンクリートの摩耗が激しい。
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対応:耐摩耗性に優れたエポキシ樹脂塗床を採用。
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結果:塗り替えの頻度が減り、コストダウンに。
まとめ
工場の塗床工事は、単なる見た目の改善だけではなく、
「安全性・衛生性・耐久性」といった、生産現場にとって極めて重要な要素を底上げしてくれる重要な工事です。
自社の業種や床の使用状況に合わせて最適な塗床材を選び、
信頼できる業者と連携することで、トラブルの少ない快適な工場環境を実現することができます!
工場の床が気になる方は、ぜひ一度専門業者に相談してみてはいかがでしょうか?