塗装工事で可能な工場の防災対策

塗装工事を活用して工場の防災性能を高める方法はいくつかあります。

これらの対策は火災防止、劣化防止、安全確保、視覚的な注意喚起など多岐にわたります。

 

 

1⃣防火対策の塗装

 工場や倉庫の防火対策として、適切な塗装を行うことで火災発生時の被害を最小限に抑えることができます。

 

主な塗料:

①耐火塗料(Intumescent Paint)

🔥 特徴:

  • 火災時に塗膜が膨張して断熱層を形成し、構造物の温度上昇を抑制。
  • 鉄骨の耐火時間を延ばし、崩壊を防止する。
  • 特に鉄骨構造の柱・梁に適用。

 

②防火塗料(Flame Retardant Paint)

🔥 特徴:

  • 火災時に燃焼を抑制し、延焼を防ぐ。
  • 主に壁面、天井、木部に適用。
  • 耐熱温度範囲が広いものもある。

 

③耐熱塗料(Heat Resistant Paint)

🔥 特徴:

  • 高温に耐える塗膜を形成し、熱による劣化を防止。
  • ボイラー室や配管周辺の塗装に適用。
  • 300℃600℃程度の耐熱性を持つ製品が多い。

 

④防煙塗料(Smoke Suppression Paint)

🔥 特徴:

  • 火災発生時に発生する有毒ガスや煙の放出を抑える。
  • 避難経路や狭小空間での使用が推奨される。

 

⑤防火ラインマーキング塗装

🔥 特徴:

  • 防火区画や避難経路を明示するための塗装。
  • 蓄光塗料や反射塗料を使用して視認性を高める。

 

⑥防火シーリング材の使用

🔥 特徴:

  • 壁面や配管貫通部の隙間を防火シーリング材で充填。
  • 火災時に耐火性能を発揮し、火炎の貫通を防止。

 

⑦防火塗装の適用基準と検査

  • 建築基準法の適用:防火地域・準防火地域においては、使用する塗料の耐火性能が規定されている。
  • 検査基準:消防法や日本工業規格(JIS)、ISO規格などの基準に適合した製品を選定する。

 

 

2⃣防爆対策の塗装

工場や倉庫における防爆対策は、可燃性ガスや粉塵が発生する環境での火災・爆発事故を防止するために非常に重要です。

 

主な塗料:

①防爆塗料(Explosion Proof Coating)

🔥 特徴:

  • 耐静電気性を持つ特殊塗料を使用して、摩擦や衝撃による静電気の発生を防止。
  • 導電性のある塗膜を形成し、静電気を拡散・放電させることで引火防止効果を持つ。
  • 適用箇所:化学工場、石油タンク、粉塵発生エリア、危険物保管庫など。

代表的な製品:

  •  エポキシ系導電性塗料(静電気防止用)
  •  ポリウレタン系防爆塗料(耐薬品性・耐摩耗性)
  •  特殊ラテックス系防爆塗料(防振・防爆対応)

 

②防爆区画の塗装(Explosion Proof Zoning Paint)

🔥 特徴:

  • 防爆区域を視覚的に明示するために色分け塗装を行う。
  • 爆発危険エリア、避難経路、非常口などを色分けして分かりやすく表示。
  • 標準的な色分け例:
    • 爆発危険区域:赤
    • 避難経路:緑
    • 危険物保管エリア:黄

 

耐火・耐熱塗料の適用

🔥 特徴:

  • 爆発の際に発生する高温に耐える塗料を使用。
  • 耐熱性塗料や耐火性塗料を併用して二次災害を防ぐ。
  • 適用箇所:配管、タンク、コンプレッサー周辺。

代表的な製品:

  • 耐熱シリコン系塗料
  • 耐火エポキシ系塗料
  • 耐熱アルミ系塗料

 

④防爆シーリング材の使用

🔥 特徴:

  • 塗装と併用して、配管貫通部やケーブル貫通部に防爆シーリング材を充填。
  • 火災・爆発時に隙間からの火炎やガス漏れを防止する。

 

⑤防爆塗装の適用基準

  • 適用基準: 日本工業規格(JIS)、IEC(国際電気標準会議)、NFPA(米国防火協会)などの基準に適合する塗料を選定する。

 

  • 防爆等級: 爆発危険区域の分類(Zone 0Zone 1Zone 2)に応じた塗料の選定が必要。

 

⑥静電気対策塗装

  • 導電性塗料: 静電気の発生を防止するために導電性塗料を塗布。

 

  • 帯電防止塗料: 摩擦帯電を防ぐために帯電防止成分を含む塗料を適用。

 

3⃣防錆対策の塗装

工場や倉庫では、設備や構造物が錆びると安全性や耐久性が低下し、事故や設備故障の原因となります。

防錆塗装を適切に行うことで、錆の発生を防止し、メンテナンスコストを削減できます。

 

主な塗料:

 

①防錆塗料の種類

  •  エポキシ系防錆塗料(Epoxy Anti-Corrosion Coating
    • 特徴: 優れた防錆性・耐薬品性・耐摩耗性を持つ。
    • 用途: 鉄骨構造、配管、タンク、床面。
    • 製品例:
      • エポファイン
      • エポガード
      • ラピッドエポ

 

  • ウレタン系防錆塗料(Polyurethane Anti-Corrosion Coating
    • 特徴: 耐候性・耐紫外線性に優れ、屋外での使用に適する。
    • 用途: 外壁、屋根、鋼構造物。
    • 製品例:
      • ウレタンガード
      • ウレタンプロテクト
      • ストロングウレタン

 

  •  ジンクリッチプライマー(Zinc-Rich Primer
    • 特徴: 亜鉛粉末を含有し、鉄面の腐食を犠牲防食で防止。
    • 用途: 鉄骨構造、鋼板、フェンス。
    • 製品例:
      • ジンクエース
      • アルミジンク
      • スーパーガードジンク

 

  • フェノール樹脂系防錆塗料(Phenolic Resin Coating
    • 特徴: 耐熱性・耐酸性・耐薬品性が高く、化学プラントでの使用に適する。
    • 用途: タンク内部、ボイラー、化学薬品槽。
    • 製品例:
      • ケミカルガード
      • フェノールプロテクト

 

  •  耐塩害塗料(Anti-Salt Coating
    • 特徴: 塩害地域や海沿いの施設での防錆対策として有効。
    • 用途: 港湾施設、海上コンテナ、冷却塔。
    • 製品例:
      • マリンガード
      • シーガード
      • サルティシールド

 

②防錆塗装のメンテナンス

  • 定期点検: 塗膜の剥がれや浮き、錆の発生を確認。
  • 再塗装: 劣化が見られる箇所には再塗装を行い、防錆効果を維持。
  • 洗浄作業: 塩害地域では定期的な洗浄で塩分を除去し、錆の発生を抑制。

 

③防錆対策まとめ

  • 防錆塗料の選定には、施工環境(屋内/屋外/高温/化学物質接触)や素材(金属/コンクリート)を考慮する。
  • 錆の発生を未然に防ぐには、下地処理が非常に重要。
  • 適切な塗膜厚を確保することで防錆性能が持続する。

 

4⃣⃣防滑対策の塗装

床面や階段の滑り止め対策として、防滑性のある塗料を施工。

 

主な塗料:

  • 防滑性エポキシ樹脂塗料
  • サンドペイント(骨材入り塗料)

 

適用箇所:

  • 作業床面
  • 階段
  • 通路

 

 5⃣防カビ・防菌対策の塗装

工場内の衛生管理を強化するため、抗菌・防カビ効果のある塗料を使用。

 

主な塗料:

  • 防菌エポキシ塗料
  • 防カビアクリル塗料

 

適用箇所:

  • 食品加工エリア
  • クリーンルーム
  • 高湿度エリア

 

6⃣蛍光塗料・視覚効果塗装

避難経路や危険区域の視認性を向上させる。停電時にも機能する蓄光塗料も有効。

 

主な塗料:

  • 蓄光塗料
  • 高視認性蛍光塗料

 

適用箇所:

  • 非常口表示
  • 階段・通路
  • 危険区域のマーキング

 

7⃣遮熱・断熱対策の塗装

断熱性や遮熱性を付与し、火災時の延焼防止や熱中症対策を図る。

 

主な塗料:

  • セラミックコーティング塗料
  • 断熱性アクリル塗料

 

適用箇所:

  • 屋根
  • 外壁
  • 機械装置

 

8⃣防汚対策の塗装

工場内の清掃性を向上させ、火災リスクを低減する。

 

主な塗料:

  • フッ素樹脂塗料(防汚性が高い)
  • 撥水・撥油性塗料

 

適用箇所:

  • 排気ダクト
  • 壁面
  • 床面

 

✅ まとめ

塗装工事を通じた防災対策は、単なる美観維持にとどまらず、防火、防爆、防錆、防滑、防菌、防汚など多面的な効果が得られます。

工場の業種・用途に合わせて適切な塗料を選定し、計画的に施工することで防災性能を向上させることが可能です

導入にあたって、気になるポイントを詳しく解説します!

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