防水工事の種類と施工の違い
ウレタン防水・シート防水・アスファルト防水・FRP防水を徹底解説!
工場の屋根や床、防水が必要な設備エリアでは、防水工事が建物の耐久性や安全性を左右します。
特に大規模な工場では、適切な防水処理を行わないと、雨水や薬品の影響で劣化が進行し、修繕コストが増大します。
今回は、工場でよく採用される 「ウレタン防水」「シート防水」「アスファルト防水」「FRP防水」 について、施工の違いや費用相場をご紹介いたします。
ウレタン防水
施工方法
1. 下地処理
工場の屋根や床のゴミ・油分を完全に除去。
ひび割れや凹凸を補修し、プライマーを塗布。
2. ウレタン防水材の塗布
1層目を均一に塗布し、8~24時間乾燥させる。
2層目を重ね塗りし、十分な防水厚を確保。
3. トップコート仕上げ
紫外線や薬品から保護するため、耐薬品性トップコートを施工。
施工後、最終チェックを行い完了。
特徴
継ぎ目がなく、複雑な機械周りにも施工可能
伸縮性があり、振動の影響を受けにくい
施工後の乾燥時間が長く、大面積では工期調整が必要
費用相場
3,500~6,500円/㎡
シート防水(塩ビシート・ゴムシート)
施工方法
1. 下地処理
施工面を清掃し、不陸を補修。
吸水性が高い場合はプライマーを塗布。
2. 防水シートの敷設
シートを工場屋根や床に広げ、適切な長さにカット。
接着剤や機械固定(ディスク盤)でシートを固定。
3. 継ぎ目の処理
熱融着や専用接着剤でシート同士を接合。
4. 仕上げ
端部や立ち上がり部分を強化。
施工後、品質確認を行い完了。
特徴
工場製シートで品質が安定し、大面積に適用可能
施工期間が短く、工場の稼働を止めずに施工しやすい
継ぎ目があるため、接合部の処理が重要
費用相場
4,000~7,000円/㎡
3. アスファルト防水
施工方法
1. 下地処理
清掃・補修し、プライマーを塗布。
2. 防水層の形成
加熱したアスファルトを流し込みながら、防水シートを積層(2~4層)。
3. 仕上げ
保護モルタルを施工、またはトップコート仕上げ。
乾燥後、仕上げ確認を行い完了。
特徴
防水層が厚く、大型工場・倉庫の屋上に適用
耐久性が高く、長期間メンテナンス不要
施工時に高温アスファルトを使用するため、火気管理が必要
費用相場
5,000~9,000円/㎡
FRP防水
施工方法
1. 下地処理
清掃し、プライマーを塗布。
下地を補修し、平滑な面を作る。
2. ガラスマットの敷設
防水層を強化するため、ガラスマットを敷設。
3. FRP樹脂の塗布
樹脂を均一に塗布し、ローラーで気泡を除去。
4. トップコート仕上げ
耐薬品性のトップコートを塗布。
乾燥後、最終確認を行い完了。
特徴
高強度・耐摩耗性に優れ、薬品を扱う工場に最適
施工後の硬化が早く、短期間で施工可能
伸縮性が低く、大きな振動を伴う場所では対策が必要
費用相場
5,500~10,000円/㎡
まとめ
各防水工法の特徴を比較すると、以下のようになります。
防水工法 | 特徴 | 施工のしやすさ | 耐久性 | 費用相場(㎡) |
---|---|---|---|---|
ウレタン防水 | 継ぎ目がなく振動に強い | ◎ | ◯ | 3,500~6,500円 |
シート防水 | 大面積施工に適し短工期 | ◯ | ◯ | 4,000~7,000円 |
アスファルト防水 | 高耐久で大型施設向け | △ | ◎ | 5,000~9,000円 |
FRP防水 | 耐薬品性に優れる | △ | ◎ | 5,500~10,000円 |
工場の防水工事を検討する際は、稼働状況、使用環境、コスト に合わせて適切な工法を選びましょう。
特に、耐薬品性や耐久性を求める場合は専門業者と相談しながら、最適な防水工事を計画することが重要です。