マンションの蛍光灯はLED照明へ!2026年から始まる蛍光ランプ規制と改修工事の必要性
マンションの共用廊下や階段、エントランス、駐車場などに、現在も蛍光灯を使用していませんか?
「まだ使えるから、しばらくこのままでいい」
そう考えているマンションオーナー様、管理者様も多いのではないでしょうか。
しかし、蛍光灯を取り巻く環境は大きく変わっています。
背景にあるのが、**「水銀に関する水俣条約」**です。
水銀を使用する一般照明用蛍光ランプについて、製造・輸出入を段階的に禁止することが決定され、日本でも2026年から種類ごとに規制が始まっています。
ここで注意したいのは、現在使用している蛍光灯が2026年から突然使えなくなるわけではないということです。
既に設置されている蛍光灯は継続して使用できます。また、規制前に製造された在庫品の販売・購入・使用まで禁止されるものではありません。
一方で、今後は従来の蛍光ランプを安定して入手することが難しくなっていくため、マンションでは早めのLED化を計画しておくことが重要です。
今回は、マンションオーナー様・管理者様に向けて、蛍光灯規制の背景と、LED照明へ切り替えるメリットについて解説します。
蛍光灯の製造・輸出入が段階的に禁止される
蛍光ランプには微量の水銀が使用されています。
水銀は、人の健康や環境への影響が懸念される物質です。
2013年には熊本市・水俣市で開催された外交会議において、「水銀に関する水俣条約」が採択され、2017年に発効しました。
その後、条約締約国会議で一般照明用蛍光ランプが規制対象に追加され、日本でも製造・輸出入を段階的に禁止するための法令改正が行われています。
環境省によると、蛍光ランプの種類によって規制開始時期が異なります。
主な規制スケジュール
- 電球形蛍光ランプ:2026年1月1日から
- コンパクト形蛍光ランプ:2027年1月1日から
- 直管形蛍光ランプ:2028年1月1日から
- 環形蛍光ランプ:2028年1月1日から
※一部の種類では規制開始時期が異なります。
つまり、2026年の時点ですべての蛍光灯が一斉に禁止されたわけではありません。
しかし、2027年末までに一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入が段階的に禁止される方向となっています。
マンション管理においては、この変化を「まだ先の話」と考えず、今から設備更新を計画することが重要です。

今使っている蛍光灯は、すぐに使えなくなるの?
ここは、マンションオーナー様・管理者様が特に知っておきたいポイントです。
蛍光ランプの製造・輸出入が禁止されても、現在マンションに設置されている蛍光灯をすぐに撤去しなければならないわけではありません。
また、規制前に製造された蛍光ランプの在庫については、販売・購入・使用が禁止されるものではありません。
そのため、
「明日から蛍光灯が使えなくなる」
ということではありません。
では、なぜ今からLED化を検討する必要があるのでしょうか?
それは、将来的な入手性と設備更新のタイミングにあります。
ランプが切れたときに交換しようとしても、従来と同じ製品を簡単に入手できなくなる可能性があります。
マンションの共用部には数多くの照明があります。
1本だけなら問題にならなくても、数十本、数百本単位で使用しているマンションでは、将来的な交換用ランプの確保が管理上の課題になる可能性があります。
マンションこそ「壊れてから交換」ではなく「計画的なLED化」
マンションには、さまざまな場所に照明があります。
例えば、
- エントランス
- エレベーターホール
- 共用廊下
- 階段
- 駐車場
- 駐輪場
- ゴミ置き場
- 管理室
- 外周部
などです。
これらの照明は、毎日使用される重要な共用設備です。
特に夜間の共用廊下や階段などは、単に「明るさ」の問題だけではありません。
住民が安全に移動するための重要な設備でもあります。
照明が切れている状態を長期間放置すれば、マンション全体の管理状態に対する印象にも影響します。
そのため、
「ランプが切れたら交換する」
という考え方から、
「将来的な設備更新を見据えてLED化する」
という考え方へ変えていくことが大切です。

LED照明に切り替える5つのメリット
1.消費電力の削減が期待できる
LED照明の大きなメリットは省エネルギー性能です。
従来の照明と同程度の明るさを確保しながら、消費電力を抑えられるケースがあります。
マンションの共用部照明は、長時間使用される場所が多いため、使用時間の長い照明ほど省エネ効果を検討する価値があります。
特に、
「一日中点灯している照明が多い」
「共用部の照明器具が多い」
というマンションでは、LED化による電力削減を検討してみるとよいでしょう。
2.ランプ交換の回数を減らせる
LED照明は一般的に長寿命で、蛍光ランプと比較して交換頻度を減らせることが期待できます。
共用廊下や階段など、照明の数が多いマンションでは、ランプ交換の回数を減らすことが管理負担の軽減につながります。
高所に設置されている照明であれば、交換作業そのものの負担や安全面についても考える必要があります。

3.蛍光ランプの入手困難リスクに備えられる
今後、蛍光ランプの製造・輸出入が段階的に禁止されることで、従来製品の選択肢は徐々に減っていくことが予想されます。
「同じ型番のランプを探しているのに見つからない」
「交換したいのに在庫がない」
といった問題が起こる可能性もあります。
LED照明へ切り替えておけば、このような将来的な調達リスクへの備えになります。
4.共用部のイメージを改善できる
LED化は、省エネだけが目的ではありません。
照明器具を更新することで、マンションの印象を変えることもできます。
例えばエントランスでは、明るさや光の色、器具のデザインを見直すことで、清潔感や高級感を演出できます。
共用廊下では、暗い場所を減らし、歩行しやすい環境をつくることも重要です。
つまりLED化は、
「古い照明を新しくする工事」
であると同時に、
「マンションの共用空間を見直す工事」
でもあります。
5.他の改修工事と一緒に計画できる
マンションでは、外壁塗装、防水工事、鉄部塗装などの大規模修繕が定期的に行われます。
その際に、照明設備についても一緒に点検してみましょう。
例えば、
「照明器具自体が古くなっている」
「ランプ交換の回数が増えている」
「共用廊下が暗い」
「エントランスの印象を変えたい」
といった問題があれば、LED化を改修計画に組み込める可能性があります。
建物の修繕と設備更新を計画的に考えることで、場当たり的な修理を減らし、長期的な維持管理につなげることができます。

LED化するときは「ランプだけ交換」でいい?
ここも重要なポイントです。
現在の蛍光灯器具にLEDランプを取り付ける方法もありますが、既存器具の種類や状態によって適切な方法は異なります。
場合によっては、ランプだけではなく照明器具そのものをLED器具へ更新することが適しています。
古い器具をそのまま使い続ける場合、器具本体や内部部品の劣化も考慮しなければなりません。
そのため、
「LEDランプを付ければ終わり」
と考えるのではなく、
既存照明器具の種類・設置年数・劣化状態・電気設備との適合性
などを確認してから改修方法を決めることが大切です。
LED化の前にマンション全体を点検する
LED化を検討する際には、まずマンションの照明を一覧化してみることをおすすめします。
例えば、
|
場所 |
器具数 |
現在の照明 |
点灯時間 |
劣化状況 |
|
エントランス |
○台 |
蛍光灯 |
長時間 |
要確認 |
|
共用廊下 |
○台 |
蛍光灯 |
長時間 |
要確認 |
|
階段 |
○台 |
蛍光灯 |
長時間 |
要確認 |
|
駐車場 |
○台 |
蛍光灯 |
夜間 |
要確認 |
|
ゴミ置き場 |
○台 |
蛍光灯 |
必要時 |
要確認 |
このように整理すると、
「どこからLED化するべきか」
が見えやすくなります。
すべてを一度に交換する方法だけでなく、劣化の進んでいる場所や使用時間の長い場所から段階的に更新する方法も考えられます。
LED化は「省エネ」だけではなく、将来のマンション管理への備え
蛍光灯からLED照明への切り替えは、単なる電気代削減工事ではありません。
これからのマンション管理を考えたとき、
「必要な照明を、必要なときに、安定して維持できる状態にする」
という意味があります。
蛍光ランプは現在すぐに使用禁止となるわけではありません。
しかし、製造・輸出入は種類ごとに段階的に規制されており、一般照明用蛍光ランプは2027年末までに製造・輸出入が禁止されることになっています。
だからこそ、
「切れてから考える」のではなく、「まだ使えるうちに考える」
ことが重要です。
長期修繕計画に「照明設備のLED化」を
マンションの長期修繕計画というと、外壁塗装や屋上防水、給排水設備などが中心になりがちです。
しかし、マンションには照明設備をはじめ、さまざまな設備があります。
建物を長く良好な状態で維持するためには、こうした設備についても更新時期を考えておく必要があります。
特に現在、蛍光灯を多数使用しているマンションでは、今後の交換用ランプの確保や器具の老朽化を考え、LED化を計画に組み込むことをおすすめします。
大規模修繕のタイミングで、
外壁・防水+共用部照明+その他設備
というように、建物全体を総合的に見直すことも有効です。
まとめ|蛍光灯からLEDへ。今こそ計画的な改修を
蛍光灯は長年、マンションの共用部を照らしてきた身近な照明です。
しかし、水銀を使用する一般照明用蛍光ランプについて、製造・輸出入の規制が段階的に始まっています。
現在使用している蛍光灯を直ちに撤去する必要はありません。
だからこそ、慌てて交換するのではなく、計画的にLED照明へ移行することが重要です。
LED化には、
- 消費電力の削減が期待できる
- ランプ交換の負担を減らせる
- 蛍光ランプの入手困難リスクに備えられる
- 共用部の明るさや印象を改善できる
- 長期修繕計画に沿った設備更新ができる
といったメリットがあります。
マンションの照明は、入居者が毎日目にする設備であり、安全な暮らしを支える重要な設備でもあります。
「まだ点いているから大丈夫」ではなく、「これからも安定して使えるか」という視点で見直す。
それが、これからのマンション管理に求められる設備改修の考え方です。
大規模修繕や共用部改修を予定されているマンションオーナー様・管理者様は、この機会に照明設備も点検してみてはいかがでしょうか。
蛍光灯のLED化、まずは現在の照明設備の確認から
「マンションの蛍光灯をLEDにしたい」
「照明器具ごと交換したほうがいいのかわからない」
「大規模修繕と一緒にLED化を検討したい」
このような場合は、まず現在設置されている照明器具の種類や数量、使用状況、劣化状態を確認することから始めましょう。
壊れてから交換するのではなく、入手困難になる前に計画する。
LED化を、マンションの将来を見据えた設備改修の一つとして検討することをおすすめします。










