安全と美観の両立! 外壁補修工事 ~タイル補修工事編~

マンションやビル、商業施設、公共施設など、多くの大型建築物において外壁タイル仕上げは一般的な工法として採用されています。

タイルは耐久性や意匠性が高く、建物の雰囲気を高級感のあるものに仕上げることができるため、多くの建物で長年選ばれ続けている外装材です。

しかし、外壁タイルは「半永久的な材料」ではありません。

時が経つにつれ、タイルの浮き・剥がれ・ひび割れなどの劣化が発生し、最悪の場合にはタイル片が落下し、人身事故につながるリスク があります。

そのため、タイル仕上げの建物では 定期的な調査と適切な補修工事 が欠かせません。

本記事では、特に大型物件におけるタイル補修の重要性と、タイル浮きの種類や調査方法、補修工法について、建物管理者様・施工担当者様向けに分かりやすく解説します。


1. タイルはなぜ劣化するのか?浮き・剥離が起きるメカニズム

タイルは、以下のような層で構成されています。

タイル本体(陶片)

張り付けモルタル・接着材

下地モルタル

コンクリート躯体

この各層の密着が劣化や環境条件によって弱くなると、タイルが浮き、剥離、そして落下へと進行していきます。

1-1. 劣化が起きる主な原因

原因 詳細説明
気温変化・寒暖差 夏と冬、日中と夜間で外壁は膨張と収縮を繰り返すため、接着層が応力に耐えられなくなる
施工不良 モルタルの塗布量不足、塗りムラ、圧着不足などにより接着不良が起こる
地震・揺れ 建物の揺れによってタイル層と下地層の密着が弱まる
雨水侵入 目地から雨水が浸入し、モルタルの強度が低下する
経年劣化 一般的に10〜25年で何らかの浮きが発生し始める

特に近年は気温変化が激しく、建物にかかる膨張収縮ストレスが増えているため、タイル浮きは以前より発生しやすい傾向 にあります。


2. タイル浮きには2種類ある

タイル浮きは大きく 「陶片浮き」「下地モルタル浮き(タイル浮き)」 に分かれます。

どちらかによって採用する補修工法も異なります。

2-1. 陶片(とうへん)浮きとは

タイル本体とモルタル(または接着材)の間に隙間が生じている状態。

特徴

  • タイル表面は見た目に問題がないことが多い

  • 打診調査で軽い「カンカン」という音がする

  • 初期段階であれば比較的軽度の補修で済む

  • 放置すると水が入り込み剥離へ進行

2-2. 下地モルタル浮きとは

モルタルと下地コンクリートの間に浮きが生じている状態。

特徴

  • タイルだけでなく建物本体側に問題が及んでいるケース

  • 「ボンボン」「ポンポン」という濁った音

  • 落下事故を引き起こす危険性が高い

  • 広範囲に発生している場合、外壁改修が必要なこともある


3. タイル浮きの調査方法

外壁タイルの調査方法には、主に以下の3つがあります。

3-1. 打診調査(もっとも一般的)

打診棒で外壁タイルを叩き、音の違いにより浮きを検出します。

  • 人間の耳による判断が基本

  • 確実で精度が高いが、広い建物では時間がかかる

  • 高所の場合は足場・ロープアクセスが必要

3-2. 赤外線サーモグラフィ調査

タイル表面の温度差を読み取り、浮き部分の熱伝導の違いから判定します。

  • 高層マンション・大型施設に有効

  • 調査範囲が広くても効率的

  • ただし、日射条件や天候に影響されるため専門的な解析が必要

3-3. 目視調査

ひび割れ、欠け、目地割れ、白華(エフロ)、汚れなど表層劣化の確認。


4. タイル補修工事の主な工法

4-1. アンカーピンニング工法(ピンニング工法)

浮き部分に穴を開け、エポキシ樹脂を注入し、ステンレスアンカーピンで固定する補修方法です。

メリット

  • 外観を損なわずに補修可能

  • 陶片浮き・下地浮きどちらにも対応

  • 耐久性が高く、再発リスクが低い

デメリット

  • 穴開けが必要なため微細な補修痕が残る

  • 広範囲の場合は工期が長くなることもある

4-2. タイル張り替え工法

劣化したタイルを撤去し、新しいタイルを貼り直す工法です。

メリット

  • 仕上がりが美しく、強度が回復

  • ひび割れや破損部分に有効

デメリット

  • 周囲タイルと色差が生じる可能性

  • 工事費用と時間がかかる

4-3. エポキシ樹脂注入工法(部分補修)

軽度な陶片浮きの補修に用いられます。

注意点

  • 下地浮きには効果が弱い場合がある

  • 浮きが広範囲の場合は根本対策にならない


5. 大型建築物におけるタイル補修の重要性

安全性の確保

タイル落下事故は、管理責任問題につながる可能性 があります。

建物の美観維持

タイル外壁は建物の印象を大きく左右します。

資産価値の維持

適切なメンテナンスを行うことで、建物寿命を延ばし、価値を保つことができます。

おすすめ点検周期

築年数 おすすめ点検内容
10年 初回外壁調査
15〜20年 大規模改修や補修を検討
20年以上 定期的な部分補修と保全管理

6. まとめ

外壁タイルは美観性と耐久性に優れた建材である一方、経年劣化による浮き・剥離は避けられません。

浮きは初期段階であれば小規模補修で対応できますが、放置すると 剥落事故につながり、修繕費用も増大します。

建物の安全と資産価値を守るためには、

✅ 定期的な外壁調査

✅ 状況に合わせた適切な補修工法

が重要です。


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詳細は各社様に対して現場調査後のお打ち合わせ時に調整させていただきますが、最大限通常業務に支障の出ないよう配慮・手配をさせていただきます。

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