見落とされがち?雨樋など付帯部にも塗装が必要な理由とは

 

工場や大型倉庫の屋根や外壁の塗装については、定期的なメンテナンスが重要だとよく言われます。

しかし、**「雨樋(あまどい)」「水切り」「笠木」などの付帯部”**については、つい見落とされがちです。

実はこのような付帯部こそ、建物の耐久性や機能性に大きな影響を与える部分であり、塗装による保護が欠かせません

今回は雨樋を中心に、なぜ塗装による保護が欠かせないのか、

その理由と、放置した場合のリスク、適切な塗装のポイントをご紹介します。

 

雨樋や水切り、付帯部とは?

工場の屋根まわりには、雨水の排水や外壁との接合部を守るための多くの「付帯部品」が取り付けられています。主な例は以下の通りです。

部材 主な役割
雨樋(横樋・縦樋) 雨水を集めて地上・配管に排出
水切り金物 壁際や基礎まわりに雨水が回り込むのを防止
笠木(かさぎ) パラペットや手すり壁の頂部を保護
幕板・破風板 意匠性+軒周りの防水

これらは金属製(ガルバリウム鋼板、アルミ、亜鉛メッキ鋼板など)が多く、塗装により表面の保護をすることが重要です。

 

 

工場に使われる主な雨樋設備とは?

■ 横樋(軒樋)

屋根の端に沿って設置される、雨水を集める横方向の樋。工場では長大な屋根が多く、**金属製(ガルバリウム鋼板など)**の大型雨樋がよく使用されます。

  • 【特徴】雨量の多い地域でも対応できる大容量設計

  • 【注意点】枯葉や鳥の巣、土埃などによる詰まりに注意

■ 縦樋(竪樋・たてどい)

横樋から集まった雨水を、地上または排水口へ導く垂直パイプ

大型工場では、φ100mm〜φ150mmの太口タイプが多く採用されています。

  • 【特徴】地上排水・地下配管接続・雨水タンク接続など多用途

  • 【注意点】曲がり部にゴミがたまりやすく、腐食の起点になることも

■ 集水器(しゅうすいき)・雨水吐(うすいばき)

屋根に降った雨水を縦樋へ誘導するための部品です。とくに工場の折板屋根では「屋根ドレン」タイプや堅牢なアルミ製の集水器が使われます。

  • 【特徴】防水層とセットで施工、雨漏り防止の要

  • 【注意点】接続部のパッキン劣化による漏水に注意

 

素材による違いと選定のポイント

材質 特徴 使用例
ガルバリウム鋼板 耐候性・耐食性が高い。大型建築で多用 工場・倉庫
塩ビ(PVC) 安価で軽量、加工しやすい 中小規模の施設、仮設対応
アルミ合金 錆びにくく軽量 塩害地域や沿岸工場
ステンレス 高価だが非常に耐久性がある 化学工場・高級設備

 

 

なぜ塗装が必要なのか?

■ 理由①:金属部材の腐食を防ぐ

雨樋などの付帯部は、常に雨風にさらされており、紫外線・酸性雨・粉じんなどの影響で表面の塗膜が劣化します。

塗膜がはがれると金属がむき出しとなり、サビや腐食が一気に進行します。

→ 放置すると「穴あき」や「脱落」に至る危険も。

■ 理由②:接合部からの雨漏りを防ぐ

雨樋や水切りのジョイント部分やビスまわりは、防水層の“端部”にあたるため、雨漏りの起点となりやすい場所

塗装により、シーリング材や金属の上に防水被膜を形成することで、雨水の侵入を抑制できます。

■ 理由③:建物の美観と一体感を保つ

塗装が色あせたり、チョーキング(白い粉)が出たりすると、建物全体が古く見えます。

外壁や屋根を綺麗にしても、付帯部が劣化したままだと印象を損ねるため、全体塗装時に一緒に補修するのが基本です。

放置した場合のリスクとは?

リスク 内容
雨樋の破損 サビによる破断・脱落で落水や外壁の劣化が加速
水切り部の浸水 壁内部への雨水浸入、断熱材や鉄骨の腐食
補修コスト増 塗装では済まなくなり、部材交換や防水工事が必要になる

 

 

 

 

塗装のタイミングとチェックポイント

  • 屋根や外壁の塗装と同時に行うのが最も効率的

  • 足場を組む工事では、付帯部まで一括塗装することでコスト効率アップ
  • 塗膜のはがれ、サビ、チョーキング(粉吹き)クラック、ピンホール、色あせ、つや引けが見られたら塗り替えサイン
  • 稼働頻度の高いシャッターや階段は摩耗を想定
  • 耐候性が求められる屋根・笠木はフッ素系を推奨
  • 耐用年数の70~80%経過時調査・再塗装計画を

 

🔧 塗装部材ごとの耐用年数目安表(一般環境下)

工場や大型施設に使われる主な塗装対象部材ごとの耐用年数表です。一般的な塗料グレードと環境条件を考慮した目安であり、実際の使用環境(海沿い、工場内の化学成分、日射条件など)により変動します。

 

塗装対象部材 使用される塗料の例 耐用年数の目安(年) 補足
折板屋根(鋼板) シリコン系、フッ素系塗料 シリコン:8〜10年
フッ素:15〜20年
紫外線・熱による劣化が早いため、耐候性の高い塗料推奨
外壁(鋼板・ALC等) アクリルシリコン、フッ素系 アクリルシリコン:8〜12年
フッ素:15年前後
熱や雨風の影響によりチョーキングが発生しやすい
雨樋(鋼板・塩ビ) ウレタン、シリコン系塗料 ウレタン:5〜7年
シリコン:8〜10年
金属製はサビ、塩ビ製は紫外線劣化に注意
水切り・笠木(金属) ウレタン、シリコン塗料 ウレタン:5〜7年
シリコン:8〜10年
接合部のシーリング材も合わせて点検が必要
鉄骨階段・手すり 変性エポキシ+ウレタン系塗装 7〜10年 摩耗や錆びやすい箇所は早めの再塗装が必要
シャッター ウレタン、シリコン 5〜7年 開閉の頻度が高いため、塗膜の摩耗に注意
配管・ダクト類 エポキシ+シリコン、耐熱塗料等 5〜10年 高温排気や薬品の有無により耐久差が出る
屋外タンク・設備架台 重防食塗料(エポキシ+フッ素等) 10〜15年 塩害・薬品・酸性雨に強い塗料の選定が必要

 

長寿命化のための対策

  • 防錆塗装の追加(特に金属系樋)

  • 雨樋用フィルターの設置(落ち葉・ごみの流入防止)

  • 点検口の設置による清掃性向上

  • 年次点検のルール化(雨樋清掃・排水試験など)

 

まとめ:塗装の対象は「屋根や壁」だけではありません

工場の長寿命化、雨漏り防止、美観の維持のためには、雨樋・水切り・笠木などの付帯部の塗装も含めた総合的な保守計画が重要です。

普段目立たない存在ですが、万一トラブルが起きたときの被害は甚大です。

雨樋の不具合ひとつで「屋根からの漏水 → 壁体・設備の腐食 → 製品の損傷」という連鎖が起こる可能性もあります。

だからこそ、定期点検・清掃・交換部材の見直しが非常に重要です。特に築10年以上の施設や、風害・積雪の多い地域では、雨樋の状態チェックをおすすめします。

雨樋は見えにくいが、機能が重要な「予防保全設備」です。

「雨樋の外れを応急処置で済ませてきたが、年々痛みがひどくなってきた」「外壁塗装を検討しているが、付帯部はノータッチだった」という場合は、ぜひ付帯部塗装の必要性もご検討ください

導入にあたって、気になるポイントを詳しく解説します!

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基本的にはすべて株式会社植田にて承っております。その後、各担当者等への手配も弊社にて実施いたしますのでご安心ください。

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