葺き替え・塗装の違い、屋根材別の選び方を徹底解説!
工場の屋根は、製品や機械設備、従業員の安全を守る重要な構造部です。
しかし、常に太陽光や雨風にさらされているため、年月が経つとどうしても劣化が進んでしまいます。
特に築10年以上の建物では、屋根材の退色、錆び、雨漏れといったトラブルが発生しやすくなります。
そのようなトラブルを防ぎ、工場機能を長く維持するために必要なのが「屋根の改修工事」です。
改修工事には主に『葺き替え』と『塗装』という方法があり、さらに屋根材の種類によって適切な工事内容も異なります。
今回は、屋根改修の基本である「葺き替え」と「塗装」の違い、
さらに折板屋根やスレート屋根など工場でよく使われる屋根材ごとの特徴と選び方について詳しく解説します。
葺き替え工事とは
葺き替え工事とは、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材に全面的に交換する工事です。
屋根の下地部分(野地板、防水シートなど)も同時に確認・補修できるため、屋根の寿命を根本から延ばすことができます。
メリット
- 下地の腐食や劣化も同時に修復できる
- 耐久性・防水性が格段に向上する
- 断熱・遮熱性の高い新しい屋根材を導入できる
デメリット
- 施工費用が比較的高くなる
- 屋根材撤去に伴い廃材処理費が発生する
- 施工期間が長くなる
塗装工事とは
塗装工事は、既存の屋根材の表面を高圧洗浄し、下塗り・中塗り・上塗りの工程を経て塗装する方法です。
防水性を保ちつつ、錆の進行を防ぐことが目的で、工場の稼働に影響を与えにくい改修方法です。
メリット
- コストを抑えつつ耐候性を向上できる
- 短期間で施工が完了
- 屋根の美観を改善できる
デメリット
- 下地の傷みや内部腐食には対応できない
- 劣化が進んでいる場合は塗装だけでは不十分
屋根材の種類別に見る改修のポイント
折板屋根(せっぱんやね)
波型の鋼板で構成される金属屋根で、耐久性・強度・軽量性に優れ、物流倉庫や大規模工場に広く使用されています。
- 塗装が有効なケース: 軽度の錆び、色あせ
- 葺き替えが必要なケース: 錆びの進行、穴あき、水たまりや雨漏れ
スレート屋根(波型スレート・カラーベスト)
セメントを主成分とした板状屋根材。古い工場ではアスベスト含有のものも見られます。
- 塗装が有効なケース: 表面の退色、コケや藻の発生
- 葺き替え・カバー工法が必要なケース: ひび割れ、反り、破損が目立つ場合
瓦棒屋根(かわらぼう)
金属製の縦葺き屋根。特に雪国や古い工場に多く見られます。
- 塗装が有効なケース: 錆が少なく、下地の劣化が見られない
- 葺き替えが必要なケース: 水漏れ、板金の浮き、広範囲の腐食
ガルバリウム鋼板屋根
近年普及している軽量かつ高耐久の金属屋根材。葺き替えやカバー工法によく使われます。
- 塗装が有効なケース: 表面の色あせや光沢低下
- 葺き替えが必要なケース: 屋根下地の劣化、雨漏れ
判断に迷ったら?屋根改修の見極めポイント
比較項目 | 塗装 | 葺き替え・カバー工法 |
---|---|---|
築年数の目安 | 10~15年以内 | 20年以上 |
劣化の程度 | 軽度の退色・サビ | 穴あき・雨漏れ・腐食 |
使用予定 | 短~中期利用 | 長期的な使用・価値向上 |
工事予算 | 低予算で対応 | 初期費用高め、長期コスト削減 |
工場屋根改修の一般的な流れ
① 現地調査・点検: 屋根の劣化状況を把握し、報告書を作成
② 見積もり提出: 劣化状況に応じた複数の工法を比較提案
③ 工事内容の確定・契約: スケジュール調整と契約書の取り交わし
④ 改修工事の実施: 安全対策を施しながら、稼働に配慮して工事
⑤ 完了報告・アフターサポート: 写真付きの完了報告書提出、定期点検など
まとめ|屋根材ごとの適切な改修で、工場を守ろう
工場の屋根改修は、建物の寿命や生産活動への影響を左右する重要な工事です。
葺き替えか塗装かの判断は、屋根材の種類や劣化状況、今後の運用計画に基づいて慎重に行う必要があります。
弊社では、現地調査からご提案、施工、アフターサポートまで一貫して対応しております。
屋根の専門家が、貴社にとって最も費用対効果の高い工事プランをご提案します。
「工場の屋根、そろそろメンテナンスしたほうがいいかも…」
そんなときはぜひ、お気軽にご相談ください。