2025.04.30

補修工事における下地補修の重要性とは

工場・倉庫の補修工事において「下地補修」は非常に重要な工程です。

これは建物の安全性・耐久性・機能性を確保するうえで、まさに土台となる作業です。

✅ 下地補修の重要性

  1. 建物の耐久性を維持・向上させる

下地(コンクリートや鉄骨など)が劣化している状態で上から塗装や防水工事を行っても、根本的な劣化は進行し続けます。

ひび割れ、欠損、鉄筋の露出などを放置すると、やがて建物全体の強度が落ち、重大な損傷に繋がる恐れがあります。

 

  1. 仕上げ工事の品質に直結する

塗装、防水、床の張り替えといった仕上げ工程は、下地の状態に大きく左右されます。

下地がデコボコだったり、水分を含んでいたりすると、仕上がりがムラになったり、すぐに剥がれてしまったりすることがあります。

 

  1. 工場・倉庫の機能性を維持

工場や倉庫では荷重・振動・温度変化などの影響を日々受けます。

床や壁のひび割れ・沈下などがあると、フォークリフトなどの機械がスムーズに使えなかったり、製品にホコリや水分が混入するリスクもあります。

下地を適切に補修することで、業務に支障が出るのを防ぎます。

 

  1. 長期的なメンテナンスコストの削減

初期段階で下地をきちんと直しておけば、その後の補修頻度や規模を抑えることができます。

結果的にトータルでのメンテナンスコストを抑えられるため、投資対効果も高くなります。

 

🔧 具体的な下地補修の例

🛠 屋根の補修

  • ひび割れ・破損瓦の交換
  • 棟板金の釘の打ち直し、シーリング補修
  • コーキングの打ち直し(特にスレートや折板屋根)
  • 金属屋根(折板・瓦棒屋根など)のサビ補修:

・ケレン作業(サビ除去:1種〜3種ケレン)

・サビ止め塗装(エポキシ系防錆プライマーなど)

・穴あきがある場合は鉄板パッチ補修 or ガルバリウム鋼板で部分張替え

原因:雨水・結露・塩害などによる腐食

目的:腐食の進行防止と防水材の密着性確保

 

  • スレート屋根のひび割れ・欠損補修:

・クラックポリマーセメントや補修テープによる補修

・欠損部スレート差し替え or 金属板によるカバー補修

原因:経年劣化、荷重、地震など

注意点:古いスレートにはアスベストを含む可能性があるため、適切な処理が必要

 

  • 屋根のビス浮き・金具の緩み補修:

・緩んだビスを打ち直し or ステンレスビスに交換

・ビス頭をシーリング処理で防水

原因:熱膨張・強風・経年変化など

目的:雨漏り防止・構造安定性の確保

 

  • 屋根下地の腐食・劣化補修(下地合板、母屋など):

・腐った木下地の交換

・鉄骨母屋が腐食している場合防錆処理・補強・交換

・下地合板の浮きビス止め再固定・張替え

原因:雨漏り・結露・排気ガス・老朽化

目的:屋根全体の強度と耐荷重性能の回復

 

  • 屋根防水層の下地調整(塩ビ・ウレタン防水前):

・下地のひび割れや欠損を補修

・プライマー塗布レベリング材で平滑に調整

・ドレン周りの不陸(排水の勾配)も調整

目的:防水材の接着性確保、雨水処理の正常化

 

  • 縁部・笠木・谷樋の下地補修:

・笠木下地や谷樋の継ぎ目からの雨水侵入を防ぐシーリング補修

・腐食した谷樋の板金交換

原因:雨水が集まりやすく、劣化しやすい部分

目的:屋根から壁・内部への雨漏り防止

 

🛠 屋上の補修

  • 防水層の補修(ウレタン防水、FRP防水、シート防水など)
  • クラックの補修:シーリング材やエポキシ樹脂で充填。
  • 必要であれば防水層の再施工も検討。

 

🛠 外壁の補修

  • 外壁のひび割れ(クラック)補修

・幅0.3mm未満微弾性フィラーや可とう性下地材で埋め戻し

・幅0.3mm以上 → Uカットシーリング材充填工法

・構造クラックエポキシ樹脂注入による接着補修

外壁のひび割れ(クラック)の原因:地震、地盤沈下、温度変化、経年劣化、施工不良など

補修の目的:雨水侵入・錆・内部劣化の防止

 

  • 浮き・剥離の補修(モルタル・タイル・ALC等)

・打診調査で浮き部分を確認

・浮いた部分を斫り(はつり)撤去

・樹脂モルタルで再成形・復旧

・必要に応じてアンカーピンニング工法を併用し固定

原因:下地との接着力低下、雨水浸入、経年など

目的:外壁材の落下防止、安全性確保

 

  • 欠損・欠けの補修(ALCパネル・モルタル壁・RC壁など)

・欠損部を整形し、プライマー処理樹脂モルタル等で復旧

・必要に応じて補強金具設置

原因:地震、機械接触、経年劣化

目的:防水性と強度の回復、美観維持

 

  • シーリング(目地・サッシ周りなど)の打ち替え:

・古いシーリング材を完全に撤去

・プライマー塗布後に新しいシーリング材充填

原因:紫外線劣化、可塑剤の流出、硬化・ひび割れ

目的:防水性の確保、水の侵入による下地劣化防止

 


  • 鉄部の錆・腐食部の補修(外部鉄骨、手すり、庇など)

・ケレン作業(手工具 or 電動工具でサビ除去)

・必要に応じて錆転換剤塗布防錆下塗り上塗り仕上げ

目的:腐食拡大の防止、外観・安全性維持

 

  • ALC外壁の中性化対策

・中性化検査(フェノールフタレイン試験など)

・状況に応じて中性化抑制剤の塗布やカーボネーション補修材使用

問題点:中性化が進むと鉄筋が錆びやすくなる

目的:鉄筋の腐食防止、建物寿命の延長

 

 

 

🛠 内部の補修

 

  • コンクリート床のひび割れ補修(クラック補修):

・ヘアクラック低圧樹脂注入(エポキシ樹脂など)

・幅が広いクラック → Uカットシール材充填工法

 

原因:荷重や乾燥収縮、温度変化、経年劣化など

目的:水や油の浸入を防止し、床の強度を維持する

 

  • 床の不陸調整・段差補修:

・セメント系自己流動モルタル(レベリング材)で不陸を平滑に調整

・エポキシモルタルなどで局所的な段差を修正

原因:沈下・ひび割れ・衝撃などによる変形

目的:フォークリフトの走行性・安全性の確保

 

  • 爆裂(コンクリート内部の鉄筋が露出してサビている状態)の補修:

・剥がれた部分を斫(はつ)る

・防錆処理

・高強度のポリマーセメントモルタル等で復旧

原因:水分や塩分の侵入鉄筋が錆びて膨張コンクリートが剥離

目的:構造耐力の回復、防錆対策

 

  • 壁・柱の表面剥離や欠損部の補修:

・欠損部の清掃と接着剤塗布

・セメントモルタルや補修パテで再成形

原因:機械接触・荷物搬送・湿気や薬品の影響

目的:安全確保、見た目の回復、防塵対策

 

  • 塗装下地の補修:

・ケレン(サビ・古い塗膜の除去)

・パテ処理や研磨での平滑化

・下地乾燥やプライマー塗布で密着性UP

目的:塗装の密着性を高めるための表面処理

 

  • 床や壁の油染み・化学薬品染みの中和・除去:

・洗浄剤での油分除去

・酸・アルカリ中和処理

・吸着剤やセメント系素材で汚染部分の撤去と復旧

目的:新しい防塵塗装やコーティングの密着不良を防ぐ

 

 

📌 まとめ

補修工事における「下地補修」は、見た目だけでなく“構造の健康診断と治療”に相当します。

安全な工場・倉庫運営、快適な作業環境、資産価値の維持のためにも、軽視せず丁寧な対応が求められます。

導入にあたって、気になるポイントを詳しく解説します!

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Flow施工の流れ

お問い合わせから施工までの流れをご紹介します

  • STEP01

    ご相談・お問い合わせ

    お電話またはメールにてお問い合わせください。
    小さなご相談でもかまいません、お気軽にお問い合わせください。

  • STEP02

    現場調査

    設計図に基づいて調査を行い、工場・倉庫の劣化具合の診断を行います。
    経験豊富な診断士がどんな些細なサインも見逃しません。

  • STEP03

    劣化報告・お見積り提出

    現場調査で撮影した写真をもとに劣化診断報告書をご提出します。
    お客様の要望に合わせたお見積書をご用意させていただきます。

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    ご予算やご要望に合わせてご用意したプランから、最も担当者様に適したプランをお選びいただけます。

  • STEP05

    施工スケジュール設定

    工場の稼働状況やスケジュールに合わせて工程表を作成し、施工のスケジュール設定を行います。

  • STEP06

    施工開始

    ご契約の際にご提出した規約のもと、国家資格保有者による施工を開始いたします。

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Questionよくあるご質問

工事に内容によって様々ですが、一般的な塗装工事ですと2週間から3週間程になります。

建物の大きさや、お出しする資料のご要望によって若干の違いはありますが、7日から10日ほどで提出させていただいております。

株式会社植田では作業員名簿をはじめ、危険予知活動日報といった安全管理を目的とした書類の作成・管理を徹底しております。

現場調査からお見積り提出までを無料で行っています。工場・倉庫に関する些細なお困りごとでもお気軽にご相談ください。ご連絡をお待ちしております

詳細は各社様に対して現場調査後のお打ち合わせ時に調整させていただきますが、最大限通常業務に支障の出ないよう配慮・手配をさせていただきます。

基本的にはすべて株式会社植田にて承っております。その後、各担当者等への手配も弊社にて実施いたしますのでご安心ください。

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